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嚥下調整食における「刻み食」について|介護食シェフが教えるポイント

2022.07.19
とろみ調整食品
介護食シェフ

こんにちは、介護食シェフの在川です。

嚥下調整食のセミナー等で「刻み食は嚥下調整食に該当しますか?」というご質問をよくお受けします。

そこで今日は、「刻み食の調理」に関して、お伝えしたいと思います!

食材のかたさに注意

「刻み食は嚥下調整食に該当しますか?」というご質問への答えですが、常食をただ刻んだだけでは、嚥下調整食に該当しません。
「やわらかい食材」を刻むことが重要です。

具体的に「やわらかい食材」とは、
舌でつぶすことができるもの、歯ぐきでつぶすことができるものをさします。

<やわらかい食材と常食の比較>

鯵の塩焼きで比較してみました!
やわらかい食材の方は、スベラカーゼミートを使用して調理しています。

学会分類2021(食事)のコードに落とし込むと
●舌でつぶすことができるもの ⇒ コード3相当
●歯ぐきでつぶすことができるもの ⇒ コード4相当 となります。

※学会分類2021(食事)に関しては日本摂食嚥下リハ学会HPホームページ:
https://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/classification2021-manual.pdf
『嚥下調整食学会分類2021』 を必ずご参照ください。


食材をやわらかくするためには、以下の3つの方法をおすすめしております。

①長時間茹でる

麺類、野菜などであれば、長時間茹でることである程度やわらかく仕上げることができます。
長時間の目安は、通常の茹で時間の2〜3倍以上がいいかと思います。

酵素を活用する

肉、魚であれば、たんぱく質を分解する酵素の入ったスベラカーゼミート(食肉・魚肉品質改良剤製剤)のような製品を使用することで、仕上がりがやわらかくなります。
スベラカーゼミートは根菜類・葉物野菜にも使用できます。
また、重曹でも肉や野菜をある程度やわらかくすることができます。


<スベラカーゼミート>

【関連お役立ち情報】

③圧力鍋を使う

食数によっては、圧力鍋を使用すると簡単に食材をやわらかく仕上げることができます。
厚めのお肉、根菜類などは特におすすめです。
最近は電気圧力鍋もたくさん種類がありますので、活用できると思います。

刻み食をまとめる「とろみあん」に注意

刻み食を嚥下調整食として提供する上で、もう一つポイントになるのが

「とろみあん」です。

やわらかい食材を刻んだところに、中間のとろみあるいは濃いとろみ程度のあんを和えたものは嚥下調整食に該当します。

このとろみあんの役割はまとまり感を出す事です。
「薄いとろみ」ではとろみの具合が緩く、食事と上手く絡まないため、まとまり感を出すのは難しいです。

また、とろみあんを刻み食の上からかけるだけでなく、「和える」ことで、よりまとまり感が出ます!

とろみの濃度の違いの比較として、「刻んだかまぼこ」に食紅で着色したとろみあんをかけてみました。

まとめ

最後に、
「刻み食は嚥下調整食に該当しますか?」という質問に対しての回答ですが、

あらかじめやわらかい食材(やわらかくした食材)を刻み、中間〜濃いとろみに調整したとろみあんを和えれば、嚥下調整食に該当しますとなります。

少しでも皆さまの疑問解決に繋がれば幸いです。
とろみ調整食や嚥下調整食に関する、ご質問・ご相談がございましたら、是非お気軽にお問い合わせください。

作成:2022.07.19 在川・狩野

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